星がくれた奇跡
あれから、あたしは病院に通い続けた。
お母さんはすごい驚いてたけど、あたしは自分の気持ちをちゃんと言った。
「たとえいつ目を覚ますかわからなくても、あたしは目を覚ますことを信じて待ちます。翔さんの代わりなんていません。翔さんがあたしの初恋です。あたしに初めての恋愛を教えてくれました!すごいあたしとって大切な人です!だからお見舞いさせてください」
あたしはなんて返されるか怖かった。
「もう来ないで!」とか「あなたには関係ないわ」とか言われたらどうしようかと思った。
でも、違かった。
翔のお母さんはあたしの手を握って、
「こんなにも翔の事想ってくれてありがとうね。わかったわ。いつでも来てくださいね!
きっと翔も優ちゃんが居たほうが嬉しいだろうし」
優しく微笑んでくれた。
「翔は、翔は絶対目を覚まします!翔はあたしの彼氏ですから!」
「そうね!」
あたしはお母さんと連絡先を交換した。
いつでも連絡できるようにって。
もうすっかり仲良くなった。
「お母さん!今日、ケーキ持ってきました」
「あら!ありがとうね」
「一緒に食べましょう」
お母さんの隣に座って一緒にケーキを食べた。
あたしは苺のショートケーキ。
お母さんはフルーツタルト。
「お母さん、翔って優しいんですよ」
「優しい?」
「はい。あたしに苺くれるんですよ」
「そうなの!?」
「はい!あたし苺好きなんで」
「翔ったらよっぽど好きでしょうがないんでしょうね」
話しながら翔を見てた。
ケーキを食べてる途中「何二人して食ってんだよ」って怒ってきそうだから。
もし、そうだったらいいのに・・・。
その時いいことを思いついた。
「お母さん!あたしちょっと出掛けてきます!!」
「いってらっしゃい」
あたしはダッシュで神社に行った。
五百円を入れてお願いした。
流れ星に願ったように。
叶いますように。
お願いをしてから病院に戻った。
「どこに行ってきたの?」
「神社です!」
神社って言っただけで何しに行ったのかわかったらしいお母さんはニコニコしてた。
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