星がくれた奇跡

辛いよ

あたしは次の日学校に行った。
そしたらみんながあたしを見てなんか話してる。
聞こえてくるのは「やっぱ」とか「別れたね」とか。
翔は人気だからみんなあたし達が別れたのを狙ってる子が多い。
言われるのはわかってたけど実際言われると胸が痛い。
別れたくて別れた訳じゃない。
みんなは何も知らないくせに。
まだ大好きだもん。
誰かの物になっちゃやだもん。
そうやって誰かに当たるしかできないあたしって最悪だな。
教室に入ったら翔が居た。
みんなに囲まれてて近づきづらい。
あたしがゆっくり自分の席に近づいたら美樹が、
「優おはよう」
「おはよう」
いつものように接してくれた。
翔も気づいたっぽくて、
「はよっ」
「おはよう」
あたしは自分の席に着いた。
その時思った。
あたしと翔は席が斜めだってこと。
これじゃあ授業中見ちゃうじゃん。
見とれちゃうじゃん。
・・席替えしないかな。
そんなこと願ってたら先生が、
「そろそろ席替えするか」
神的なことを言ってくれた。
でも・・・・・
席替えはくじだったのに・・・・
翔と隣になっちゃった。
はぁー・・・。
ついてないな。
席を変えたら翔が机をくっつけて、
「今日、教科書忘れちゃったから見せてくんね?」
「あ、うん。いいよ」
付き合ってた頃だったら絶対嬉しくて翔とイチャイチャしてたんだろうな。
机をくっつけてる途中翔が、
「今日元気ねぇーな大丈夫か?」
声を掛けてくれた。
「そぉかな?全然大丈夫!」
全然大丈夫じゃないけど。
「無理すんなよ」
「うん?」
「無理に笑ってんじゃねぇーよ」
翔は付き合ってる時のように頭を撫でてくれた。
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