白猫
「……あなたは……猫?」

「否、小生は猫にあらず」

白猫は澄んだ声でハッキリと言った

「……じゃあ、人……なの?」

「……ぬしはどうだと思う?」

白猫は窓枠から降りて

女の手にある果物に手を伸ばした

「……猫じゃないなら、人でしょう?」

女は果物を白猫に渡した

女は少女に

「白猫は食べ物がないと依頼を受けてくれない」

と言われたため

調理場にあった果物をくすねてきたのだ
< 16 / 100 >

この作品をシェア

pagetop