白猫
よくよく目を凝らして見てると

それは首飾りだった

「あれはっ……お母さんの」

女が取りにいこうとすると

「あれはぬしの代償……」

「……代償?」

「ぬしが望みを叶えるための代償……これを小生に渡すならばぬしの望みは叶う」

「……っ」

女は目を見開いた

「ぬしが本気で望みを叶えたいなら……これを小生に渡せ」

白猫は首飾りをちらつかせた

「……でも…それはお母さんの……」

「望みを叶えたくないのか?」

「………」

女には明らかに迷いが生まれていた
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