白猫
「もう……やめてっ」

女は苦しみのあまり泣きはじめた

「ぅ……もういや…私を………自由にしてよ…」

「ならば小生に、代償を払え」

女の脳内に白猫の声が聞こえた

女はゆっくりと顔を上げ

耳を塞いでいた手を下ろした

「……代償は、それじゃなきゃダメなの?」

「…等価交換だからな、それ相応のものを代償として払ってもらう」

「………等価交換……か…なら、仕方ないよね」

白猫は女の言葉を聞くと

湖の真ん中まで歩いていった
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