白猫
その瞬間

その使用人の足元から

足に巻き付いている手の

何倍もの手が使用人たちに巻き付いた

「きゃあ!!」

「気持ち悪い!!」

「離れなさいよ!!このっ」

使用人たちは手を引き剥がそうとするが

手は接着剤でくっ付けたかのように

びくともしなかった

そのとき

「クックックッ………憐れよのう」

今まで助けを求めていた使用人が

急に笑い出した
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