白猫
ピッピッピッ………

「……硅…さん?」

紫奈の声に呀江は顔をあげた

ベッドを見ると

意識を取り戻した硅が天井を見つめていた

「っ硅さん!!」

「……し…な…」

硅の口が微かに動いた

「わ、私、先生呼んできます!!」

呀江は立ち上がり

ナースステーションへ走っていった

「硅さん……よかったっ」

紫奈は嬉しそうに硅の手を握った

「……紫奈…ごめん…」

硅はゆっくりと紫奈の手を弱弱しく握り返し

涙を流した
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