白猫
裏庭に来た女は

黙って掃除をしていた

その目には生気がなかった

「………私なんて消えちゃえばいいのに」

女はぽつりと呟いた

そして空を見上げため息を吐いて目を閉じた

「ねぇ………」

女が目を閉じていると

ふいに横から声をかけられた

「っは、はい……な、なんでしょうか?」

女はメイド長かと思い

身を固くしたが

メイド長ではなく

18歳くらいの少女が立っていた
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