白猫
――――

―――

――

ここはどこかの廃ビルの屋上

「………」

白猫は月を見ながら酒を飲んでいた

「……ハァ」

白猫は溜め息を吐き、水色の砂時計を取り出し

それを月と重ねた

「……なぁ、砂時計よ…おねしの持ち主は小生をまだ許してはくれぬようだな」

そう言って、白猫は自虐的な笑みを浮かべた

そのとき

「あ、さっちゃんここにいたんだ~」

「ゲッ………」

ラベンダー色の髪をした少女が空から降りてきた

白猫は少女をみて心底嫌そうな顔をした

「『ゲッ』ってなによ~、さっちゃんはあたしに不満でもあるの~?」

「いや……別にないが…それよりその『さっちゃん』は止めてくれ」

少女は頬を膨らませ不満そうに言った

白猫はそんな少女から目線を逸らし、嫌そうに言った

「なんで~、可愛いじゃん!あ、もしかして……お瑳夜(サヨ)って呼んだほうがよかった?」

「いや、そうじゃなくて……」

「これもダメ~?じゃあ~……白ちゃん!あ、でも、なんか可愛くないな~……」

可愛いあだ名をウキウキしながら考えている少女に

白猫は呆れたような顔をした
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