白猫
「……おい」

「あ、白にゃん!!これはどうだぁ!!」

「おぬしは、いい加減人の話を聞かんか!!そもそも、白にゃんはこの前却下しただろうが!!」

バシンッ

白猫はどや顔で言ってきた少女を

どこで拾ったのか知らないが、ハリセンで叩いた

「いたぁい~、酷いよさっちゃん」

「おぬしが話を聞かぬのが悪い……で、“冥界の姫君”が小生に何の用だ?」

“冥界の姫君”と呼ばれた少女は涙目で座り込んでいて

白猫は気が済んだのか、また酒を飲み始めた

「……お酒は身体に悪いよ~、白猫」

「大丈夫だ、小生はここで生きているわけではない」

「そうじゃなくて~……白猫の『器』になってる子の身体に悪いよって言ってるんだよ~」

「……あぁ、そっちか」

白猫は最初は少しムッとしたようだったが

自分ではなく、『器』のことだと分かると納得したような顔になった

「その子、まだ未成年でしょ~?」

「……未成年だとしても、こやつはもう死んだ身だ」

「趣味悪ぅ~、死体使うなんて……」

少女が嫌そうに顔を歪めると、白猫は少し怒ったような顔をした

「うるさい、小生はおぬしらと違って、『器』に限界があるんだ」

「……あんたは長く生きすぎてるんだよ」

少女は困ったように笑った
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