Loveless≠Alone
└不変
そして、四月―――――
私達は、叶苑学園に通う。
「へへっ、楽しみーっ!」
―――――アンタはね。
叶苑学園―――そこは、金持ちばかりが通う学校だ。言うなれば、金さえ出せば通える。その為、生徒は、素行の悪い…所謂不良、しかも大半が男ばかりらしい。よくそんな所に、あの輝流溺愛教の親族やその多諸々が入学を許したか不思議だけど……
安西家は一応、日本有数の財閥と名を馳せている為、表向きには、黙秘されているけど、輝流は勉強はそこそこ出来るが、素行と言うか…内申が誉められるものではなかった。
まぁ、今や全国No.1の族『十六夜』の総長だし。
ここしか行ける高校がなかったというだけ。
言わずもながら、私と空灯は、強制的に輝流と同じ此処を受けさせられた。拒否権など無かった。
「はぁ、も…やだ」
また、今までと同じ様に、輝流に縛られる日々が続くのだろ。そう思うと気が重い。
「…美月」
思わず溜め息を吐くと空灯がそっと左手を握ってくれた。
「大丈夫…私が居るから」
―――独りじゃないよ。
言外に告げられた言葉に、私は無性に、泣きたくなった。