─§温もりの虜§─
その夜あたし達は抱き合って眠った


ずっと欲しかった温もりをくれた人


最初からあたしの心は決まっていたのかもしれない


初めて感じたあの感覚…


この温もりを離したくなくてそっと亮の背中に手をまわす


それに答えるように亮の腕に力が入る


気持ちが通じあうってこんなにも幸せなことなんだ


嬉しくて涙ぐみ「ぐずっ」と鼻をすすったあたしに亮が聞く


「どうした?」


少し身体を離して見つめあう


「幸せすぎて涙でちゃった…」


「俺も幸せ…」


そう言って口づけを交わした
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