─§温もりの虜§─
家まで送ると言う悠斗に強引に電車に乗せられた


たまたま同じ方向だったことは幸いだった


今のあたしに悠斗の優しさは心地よい


少し強引だが優しい人…


あの3人にも特別な感情を感じ始めていたが悠斗にも何かしら感じるものがある


ただ今はあの3人に少しだけ不信感を抱いているのもまた事実だった



家に着くまで悠斗は殆ど何もしゃべらなかった


黙ってあたしの手を引いて歩く


今はそれだけで十分だった…


「あの…あたしの家あそこだから…今日はその…ありがとう」


「…んっ…あのさぁあんま1人で悩むなよ…俺で良ければ聞くし」


やっぱり優しい…


「ありがとう」


「あー…」


「な…に?」


「連絡先…」


「あぁ…」


あたし達は携帯を取り出すと連絡先を交換して別れた
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