先生の天使
何でキスしたの?

とか

どんな意味があるの?


とは聞けず…
キスと口に出すのも恥ずかしいし…
車は渋滞に巻き込まれることなく進んでいる。


はっ、そうだ。
また寝ないように会話しなきゃ!

何話そう…
そうだ、やっぱり歴史の先生だから歴史の話題がいいかしら?


「し…聖徳太子ていっぺんにいっぱいの人の話し聞けるなんて凄いよね!」
綾香の歴史の成績からして歴史は苦手だった…

「えと…えと…」
と悩んでたら裕二が吹き出す。

「もしかして歴史の話題探してるの?」


ズバリだ。


「えっいや別に…」
慌てて弁解しようとするが言葉が見つからない。


「綾香ちゃん分かりやすいな〜」
クスクスと笑う。


がーん!!私って分かりやすいの?
でも私なりに真剣に考えたわけだし…頑張ろうて思ったから…



「私はっただ会話を楽しくしようとして…」


「そんな…馬鹿にするなんて…私は…」


うっ泣く!!


「酷い…」


慌てて裕二は車を路肩に停めた。


「ごめんごめん、馬鹿にした訳じゃないんだよ。ただ可愛いなって思っただけで…泣かないで…」

綾香は泣きじゃくる。

「恋愛音痴って言ってたの忘れてたよ。ごめんね」
< 10 / 170 >

この作品をシェア

pagetop