先生の天使
「馬鹿に…してない?」
涙いっぱいに裕二を見る。
「うん」


綾香は目をごしごし拭きながら
「い…今、泣き止むから…」と言うが中々止まらない。
「ごめ…ずっと緊張してたから…待ってね。今…」


すると裕二がゆっくりと抱きしめる。
綾香はびっくりで身体が固くなる。
「大丈夫、こうしてるだけだから…すっごく緊張してたんだね。気づかなくてごめんね。辛かった?」


その声に綾香はわっと泣き出す。


裕二は泣き止むまでじっと抱き締めていつくれた。



しばらくしてやっと綾香の涙が止まった。

「泣き止んだ?」
と裕二は綾香の顔を見る。


綾香の鼻が真っ赤だ。

笑いたかったが綾香がまた気にするとこらえた。


「じゃ行こうか」


と車が再び走り出した。



しばらくして気づくと綾香は泣きつかれたのか眠っていた。

裕二は呟く。



「惚れたか?俺…だって俺だけ平気だって言われたらなぁ」
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