先生の天使
「え？普通？」

会社で川口に言われた。

「男なんだから、それくらいの性欲は普通」

綾香はカルチャーショックを受けた。

「あ…あれが普通？」

頭を抱えて悩む綾香の頭をポンと叩いた。

「まだまだだねぇ…綾香」

ハッと思い出し言ってみた。

「裕二君が家から出ないなら出させようと思うんです。」

川口は訳がわからないという顔をする。

「私、車の免許取ろうと思って」

川口は大きく口を開けて聞き返した。

「えぇー！！！」

「何でそんなに驚くんですか！」

「だってそれと裕二君と何の関係が？」

「いつも裕二君が運転してくれるから私がするって言って連れ出そうかと思って」

川口は心から心配した。
この、ちょっとのんびりした綾香が車の運転？
アクセルとブレーキと踏み間違えそうだよね……

「ほ…他の方法はないのかな？」

と、聞いたら綾香は力強く

「無いです」

と言われてしまった。

もう、事故のないように祈るしかないと思った川口だった。
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