先生の天使
「もう3ヶ月だ…」

カレンダーをみて裕二は呟いた。

綾香がなにやら始めてから3ヶ月。会ってない。
大きくため息をついた。

かをりも何度か話しかけてみたが、反応がない。

孤独で死にそうだった。

その時、ドアをノックする音が聞こえた。

「はい」

返事をしたら綾香が部屋に入って裕二に飛びついてきた。

「!綾香!?」

「うん、裕二君会いたかった~」

しばらく裕二に抱きついていた。裕二も綾香が自分を見捨ててなかったと安堵して抱きしめた。

ソファに座ってやっと落ち着いた。

「顔見せて」

裕二の言われるままに顔を向ける。

少し痩せたんだろうか?綾香はもともと細かったけど…

しかし綾香はニコニコして自分を見ている。

「何やってたの?」

改めて聞いてみた。ドキドキした。
すると綾香はにっこぉ~っと笑ってかばんをごそごそして財布を出した。

「?」
財布?と裕二が不思議そうに見ているとその中から運転免許証を出した。

綾香の名前と写真がある。

「綾香、免許取ったのか?」

裕二は心底驚いた。

「うん」

綾香はニコニコしている。

「裕二君、ドライブ行こっ」

その途端裕二は下を向いてしまった。

「いや、俺は…」

「じゃあ、一人で行くけど」

その言葉に裕二は悩んでしまった。
外は怖い。でも綾香を一人で運転させるのは同じくらい心配だ。
5分くらい悩んでいた。綾香は何も言わずに待っていた。

「わかった」

裕二はぼそりと言った。
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