先生の天使
「帰りは俺が運転するよ」

と裕二が言うので綾香はキーを渡した。

裕二はしばらくして綾香が寝ている事に気づいた。

「疲れたんだな」

きっと綾香は自分をこうやって外に連れ出すつもりで、免許をとったのだ。

たったそれだけの為に。

綾香を絶対に守ろうと誓った。


「綾香、家着いたよ」

言われて起きる。

車は裕二の家の駐車場に入っていた。

「まだ昼間だし、寄ってきな?」

「うん」

玄関に入ると裕二の母が出てきた。

「おかえりなさい。ドライブどうだった?」

ドライブにこやかに聞くと


「も~大変だったよ。無事に帰って来れないかと思ったよ。」

と疲れた表情をする。

「ひっど~い!まだ慣れてないだけよ」

口喧嘩しながら裕二の部屋へ入っていった。

その様子に母は涙を浮かせていた。
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