先生の天使
玄関を入って、綾香をおろすが綾香の震えは止まらない。

「私…連絡取ってないよ。ホントに…ホント…」
綾香はまた誤解されるのかと懸命に訴えた。
「分かってる。大丈夫だよ」
裕二がそっと言うが、綾香はそれも聞いているのかわからない状態だ。

「母さん!!」

裕二が母を呼ぶ。
慌てて出てきた母は綾香を見て驚く。
ガクガク震えて裕二に支えてもらって精一杯という感じだ。顔は真っ青だ。

「どうしたの?!」

母は綾香の顔をなでながら聞く。

「黒井が…あいつ、綾香のストーカーしてたんだ」

「黒井君が?」

母も少なからずショックだったようだ。

「とにかく綾香に何か飲み物を」

「そうね、ちょっと待ってて」

母は台所に入っていった。

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