先生の天使
綾香の母はその話を聞いて動転した。

「それは…警察に行かせます」

と言うと川口が

「裕二君と会社終わりに行く予定してるみたいです」

「ちょっと綾香に代わってもらえます?」

川口は綾香に携帯を返した。

「綾香、いい?絶対に一人になっちゃ駄目。あんたはのほほんとしてるから絶対に裕二君とか川口さんとか…誰でもいいから一人になったら駄目よ。警察行ったらどうにかしてもらいましょ」

「うん」

綾香は泣きながら答えた。

電話を切ると川口が言った。

「綾香このまま警察行ったほうがいいよ。私から言っておくから」

「でも…」

「急な仕事はある?」

「…いえ、無いです」

「じゃあそうしな」

と外を見ると裕二の車がまだ止まってた。川口は走って車まで行き、窓を叩いた。

綾香はとぼとぼと裕二の方へ歩き出す。

話を聞いた裕二は慌てて車から降りて綾香のもとに走る。

その時だった。
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