先生の天使

｢週末家来て〜ひま〜｣
というメールが裕二からきた。綾香はつい笑ってしまう。

｢暇が大敵…だよね｣



ー週末ー

｢あれ…｣
大きな家の前に立って綾香は自分を疑った。

住所は合ってる。
表札も合ってる。

でも…この家の大きさは…何？


呆然とする綾香に後ろから声がかかる。

｢綾香ちゃん〜？｣

裕二の母だ。
｢早かったのねぇ〜美味しいケーキを買ってきたのよ｣
とにこやかに言う。

｢あっこんにちは。いやあの、そんな気を使っていただいたら…｣
｢あら綾香ちゃんだって気を使ってるじゃない｣
と、指を指す。
綾香は芋ようかんを買って来ていた。
｢あっこれは…あの｣
と焦るが裕二の母はにっこり笑って、入りましょう。と家に入った。綾香は慌てて後に続く。
門をくぐると、あと三軒くらい家が建つんじゃないかと思うくらい広い庭。

｢さぁどおぞ〜｣
とスリッパを揃えてくれる。
｢あっありがとうございます｣
と言いながら玄関を見回す。
この玄関何畳あるんだろう？６畳くらいかしら？

｢おっ来たな〜｣
嬉しそうに裕二が来た。まだ松葉づえをついているが元気そうだ。

｢ここ裕二君ち？｣
と間抜けな質問をしてしまった。
｢そぉだよ？｣
裕二は質問の意味がわからないように、きょとんとしてる。