先生の天使
「かをりちゃん?」
ドアをノックするが応答はない。物音一つしない。
「綾香です。入っていい?」
そう言って入る。
かをりはベッドの上で体育座りをして一点を見つめている。
綾香はその隣に座る。
「かをりちゃん、引っ越すって聞いたけど…それでいいの?裕二君はかをりちゃんのこと、怒ってなんかいないよ?」
その言葉にも反応しない。
「私、かをりちゃんのことライバルだって思ってたのよ?裕二君は魅力的だもの。好きになるのわかるわ。でもね、かをりちゃんがこんなだと私も張り合いがないよ?」
かをりは膝に顔を埋めた。
「いいよ。私は裕ちゃん先生を殺しかけたのは事実だもん。私にはライバルなんて資格もない」
綾香は声を荒げた。
「資格ってなに?事故は起こそうとして起こした訳じゃないでしょ?堂々としてればいいのよ。あの元気なかをりちゃんはどこにいったの?」
「…もうあんな風には出来ないよ。皆知ってる。学校も近所も…」
綾香は負けなかった。
「少なくとも裕二君と私はかをりちゃんに元気になってほしいと思ってるよ。裕二君の大切は生徒だもの。裕二君はかをりちゃんの先生だもの。」
かをりは声をあらげた。
「綾香さんには分らないよ!影でどつかれたり、水かけられたり…他にも色々…されたことないでしょ?どんどん自分が嫌われ者だって自覚してくる。今まで気付かなかっただけだったんだよ。裕ちゃん先生のこと、好きだった…でも迷惑だったんだって…頑張ればいつか先生も認めてくれるかもって期待してた。でも間違いだったんだよ。先生はあくまで先生で…それ以上にはならなかったのに…気付かなかった…」
「かをりちゃん…裕二君のことホントに好きだったんだね。でもね、その気持ちまで否定しなくていいんじゃない?中学生だもん。好きな人くらい出来るの当たり前だし、たまたま先生だっただけでしょ?転校したら、次に好きな人で来たらもっと上手くいくわ。」
かをりは綾香を見つめる。涙があふれそうだ。
「かをりちゃんはとてもいい子だと思うよ。好きって心を知ってる。もしかしたら私より大人かもしれない。」
「どういう意味?」
ドアをノックするが応答はない。物音一つしない。
「綾香です。入っていい?」
そう言って入る。
かをりはベッドの上で体育座りをして一点を見つめている。
綾香はその隣に座る。
「かをりちゃん、引っ越すって聞いたけど…それでいいの?裕二君はかをりちゃんのこと、怒ってなんかいないよ?」
その言葉にも反応しない。
「私、かをりちゃんのことライバルだって思ってたのよ?裕二君は魅力的だもの。好きになるのわかるわ。でもね、かをりちゃんがこんなだと私も張り合いがないよ?」
かをりは膝に顔を埋めた。
「いいよ。私は裕ちゃん先生を殺しかけたのは事実だもん。私にはライバルなんて資格もない」
綾香は声を荒げた。
「資格ってなに?事故は起こそうとして起こした訳じゃないでしょ?堂々としてればいいのよ。あの元気なかをりちゃんはどこにいったの?」
「…もうあんな風には出来ないよ。皆知ってる。学校も近所も…」
綾香は負けなかった。
「少なくとも裕二君と私はかをりちゃんに元気になってほしいと思ってるよ。裕二君の大切は生徒だもの。裕二君はかをりちゃんの先生だもの。」
かをりは声をあらげた。
「綾香さんには分らないよ!影でどつかれたり、水かけられたり…他にも色々…されたことないでしょ?どんどん自分が嫌われ者だって自覚してくる。今まで気付かなかっただけだったんだよ。裕ちゃん先生のこと、好きだった…でも迷惑だったんだって…頑張ればいつか先生も認めてくれるかもって期待してた。でも間違いだったんだよ。先生はあくまで先生で…それ以上にはならなかったのに…気付かなかった…」
「かをりちゃん…裕二君のことホントに好きだったんだね。でもね、その気持ちまで否定しなくていいんじゃない?中学生だもん。好きな人くらい出来るの当たり前だし、たまたま先生だっただけでしょ?転校したら、次に好きな人で来たらもっと上手くいくわ。」
かをりは綾香を見つめる。涙があふれそうだ。
「かをりちゃんはとてもいい子だと思うよ。好きって心を知ってる。もしかしたら私より大人かもしれない。」
「どういう意味?」