先生の天使
ちょっと生意気だった女子中学生。
でも心は優しくて繊細だった。

綾香はかをりを嫌いだと思ったことはなかった。

涙が止まらない。
まだ中学生だった。
これから恋をして、交際して、いずれは結婚して、家庭を持って幸せになる権利がある子だと思ってた。
あれほどの裕二への情熱があった子だから。

幸せを自分で掴んでくれると思ってた。

もう、この世にいないなんて……



「俺のせいだ…」

裕二がポツリと言った。

「あの時、ちゃんとして転校なんて反対して皆の誤解をちゃんと説明してれば…俺が殺したんだ」


綾香は裕二の方を向くと裕二は床を見つめていた。

「裕二君、そんなことない。だって最後は裕二君に笑ってくれたんでしょ?」

裕二は頭を抱える。

「平沢…!!」

綾香は必死に裕二を抱きしめた。
「裕二君…そんなに自分を責めないで」
泣きながら言うが綾香も自分の無力をひしひしと感じていた。
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