先生の天使
特急電車で1時間ほどするとかをりのいる駅に着いた。

裕二は車で行くと言ったが3人に危ないからと止められ、渋々と電車に乗ったのだ。

かをりの母からの手紙の裏に書いてあった住所を頼りに歩く。

「えっと…こっちかな?」

裕二は無言で綾香に着いて来ている状態だ。

「あ、あった。平沢さん」

静まりかえった一軒家に着いた。

「裕二君、いい?」

無言でうなずいたので呼び鈴を押す。

「はい」

覇気の無い声が応答した。

「斉木と申します。」

綾香が名乗るとかをりの母はすぐ分かったらしい。

「先生の…」

「あ、はい。上屋も一緒です」

がちゃりとインターホンが置かれる音がしてすぐにかをりの母親が出てきた。

「突然申し訳ありません」

綾香が言う。

「ここではなんですから中へどうぞ」

と促され2人は家の中に入った。

居間に通されると2人の足は止まった。

かをりの写真と共に置かれた遺骨の箱があった。

綾香は裕二の顔を見ると裕二はその写真をじっと見つめていた。

「お座りください」

と言って座布団を敷いてくれたので2人はそこに座った。
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