先生の天使
「あれ?今日はカメラにバズーカ砲がついてないね」

裕二と井の頭公園を抜け動物園に向かっていた。

「うん、ここはね、ファミリーがのんびり来る所なの。だから標準レンズで十分なの」

「ふぅん」

裕二は綾香の考えを正確に読んだ。

「分からないからってふぅんで済ませないように」


「ばれた?」

綾香はペロリと舌を出した。

「そんなことしてるとここでチューするぞ」

にやにやと裕二が言う。

綾香は真っ赤になる。

「裕二君!」

怒ろうとしたら目の前にカメラが出てくる。

「ん、綾香はこれな」

いつものカメラだ。

「ありがと」

もう操作方法は分かったから綾香も楽しみだ。

「私も一眼レフとかいうの買おうかなぁ」


その一言に裕二はふいた。

「ぜーったい無理!綾香機械音痴じゃん」

けらけらと笑う。

「ばっ馬鹿にして!絶対買うからね!」

笑ってる裕二を置いてスタスタと歩いて行ってしまう。


「ま…待って綾香…」


笑いをこらえながら裕二がついていく。
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