先生の天使
裕二の部屋の前でケーキを持って綾香は自分に言った。

「しっかりしなくちゃ」

ドアをノックして中に入る。

裕二はまだパソコンの前だ。

「裕二君、レアチーズケーキとモンブランどっちがいい?」


笑顔を作りながら聞く。
何だかドキドキしてしまう。

裕二は反応しない。





「…裕二君?」

裕二の側に行くと裕二が座ったまま綾香を抱きしめる。


「ゆゆゆ裕二君?!」

驚く綾香に言った。


「もうすぐ、新学期だな。行きたくない」

綾香は驚いた。

あんなに自信持ってやっていた先生をしたくないって事だよね?
生徒を大事にして好かれてた先生だったのに…

「皆、平沢のこと知ってんのかな」

小さな声で言った。

綾香はなんて言っていいのか分からずにただ、裕二を抱きしめた。

「綾香、今日泊まっていかない?」

「へっ」

また綾香は驚いた。
しばらく考えたがいいよ。と答えた。
母にも電話して許可を得て泊まることになった。
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