ピュバティ ブルー
「それにしても、北条は茶道の次期家元だぞ。あんなしとやかな生徒がキン蹴りかますなんてなぁ、恐れ入ったぜ。登校日に寺尾泰彦とか言う他校の男子生徒の母親が、本人同伴で怒鳴り込んで来たときは何かの間違いかと思ったぜ。俺なんか、それは皆川って生徒じゃなかったですか?って聞き返したくらいだよ」
「言ってろよ!・・・それよりこのブチ犬何とかしろよ、暑苦しい」
葵はべったり寄り添って離れない、フライデーの耳を引っ張った。
「朝美を思い出しているんだよ。なあ、フライデー」
フライデーは「おん」と吠えて返事をした。