ピュバティ ブルー
「朝美さんて人、この川で亡くなったの?」
「そうだ」
「忘れられないんだ」
「当たり前だよ。俺達はいつも話していた。もしどちらかが先に死んだら残った方は後を追おうってね」
「へぇ、じゃあ何故後を追わなかったのさ?」
「死ねなかった。死のうとはしたんだ。でも朝美が止めに来た」
「どういうこと?それって死にたくない言い訳じゃないの?」
二人の間に僅かな沈黙がながれた。
「違う、俺は・・・そろそろ帰るよ」
青年はパンパンとズボンの裾をはらうと、画材を片付け始めた。