ピュバティ ブルー


「あいつはあたしになんて生まれてほしくなかったんだ。あたしの母は愛人であたしを身ごもって実家に帰されたってわけ。二月に母が亡くなって、あたしはいきなりこっちに呼ばれてさ。父の部下が東京駅に迎えに来て、学校の近くのマンションに送り届けられたんだ。そしてあたしは都内一退屈な収容所に放りこまれたんだ。おしまい」



少女はつとめて軽くそう言った。


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