ピュバティ ブルー
「それはかわいそうにね。いつもそう言って悲しい身の上話をだれかれとなく吹聴してヒロイズムに酔っているのか?でも君は、お父さんの金で優雅に暮らしているみたいじゃないか」
青年は突き放すように言った。
「どうせならあいつの財産を、全部遣ってやろうかと思ってるだけだよ!」
少女が反論した。
「半端に突っ張っていると後悔するぜ」
青年がまた苦笑した。
「後悔してんのは、初対面の上に無礼なあんたなんかに、べらべらと口を滑らせたことだよ」
少女は声を荒げながら、何故あんなにあっさりと青年に今の状況を話してしまったのかと後悔していた。