ピュバティ ブルー


「直人、何故帰ってきた。その子は誰だ」



松井の叔父らしき初老の男性が声高に言った。



「実は彼女二階堂の娘なんだ。俺たち叔父さんの店手伝えないかな」



松井に促され、葵は頭を下げて挨拶した。



「馬鹿いうな!二階堂様に何てお詫びしたら」



叔父は松井を怒鳴った。



「何言ってんだよ、おじさん。俺は彼女をさらってきたわけじゃ」



松井は弁明した。



「今まで援助していただいた恩が・・・」



叔父はうつむいて、ぼそっと言った。



「援助していただいた?」



松井は不思議そうな顔をして聞き返した。



「まあ、中に入れ」





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