ピュバティ ブルー


「お前が六つの時からの学費や生活費は、全てあのかたが出してくれたんだ」



家に入って二人と向かい合わせに座ると叔父が言った。



「・・・知らなかったよ。叔父さんたちに世話になっていたとばっかり。でもそうだとしても当然だろう?あいつは父さんと母さんを」



松井は反論した。



「二階堂様に口止めされてたんだ。しかしお嬢さんが関わったら話は違う。・・・義務教育だけだったならともかく、あんな金のかかる私立の美大の学費までわしらの手にはおえんかった」


松井の叔父はそう言ってお茶をすすった。



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