ピュバティ ブルー



「おい、ところで直人君のほうが盛りがいいんじゃないのか」



二階堂が松井の皿を覗き込んでそう言った。



「お義父さんの皿の肉だって俺のより厚い」



松井も負けじと反論した。



「君、今私をお父さんて呼んだか?」



二階堂が目を潤ませた。



「ええ、養子縁組を希望していたのはお義父さんですよ」



松井は照れていた。

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