ピュバティ ブルー

「ふむ。それでお前は一人が寂しくて、俺を探しに来たって訳だ」



「冗談じゃないよ。松井が前にお茶に誘ったから、約束を守りに来てやっただけだよ」



葵は強い口調で言った。



「・・・・オーケィ。じゃああと少し待ってろ。こいつを完成させるから」



松井は小指に青の絵の具をつけると、優しくカンバスの少女の唇をなぞった。



そして包むように朝美を見つめた。
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