聖なる光【完結】
「その拓真が今は居なくなって目標が見えなくなったんだ」
「目標…」
『俺、親友に憧れてんだ』
『へえーでもヤンキーなんでしょ?どうして?』
『内緒。光は誰が目標なんだよ』
『内緒ー』
『何だよそれー』
私の目標は拓真だった。
その拓真が死んだ…。
「でも光ちゃん?拓真はもう居ない」
苦しかった。大きな包丁で胸をさされるようなそんな痛みが。拓真はもう、居ない。分かってる。だけど心のどこかでまだ受け入れられない。
「光ちゃん、苦しんでるのは光ちゃんだけじゃない」
「もうやめろって!!」
半分泣きかけの聖矢が悟史くんを突き飛ばす。悟史くんは構わず続けた。
「聖矢も苦しいんだ」
悟史くんがその言葉を言った瞬間聖矢は倒れるかような勢いで座り込んだ。
私は動けなかった。
『あいつ、なんだかんだで大上が死んだの自分のせいだと思い込んでる』
徳原くんの言葉を思い出す。