聖なる光【完結】
そうだね、と言って私は聖矢に寄り添った。
「光、試合いつだっけ?」
思い出したように尋ねる聖矢。
「4月30日だよ」
「まじでっ?!」がっかりしたように話す聖矢。
「何で?」
「見に行こうと思ってたのに俺も試合だし」
「ありがとう。ちなみに一回戦目だからまだまだ先あるよ」
そう言った瞬間叫ぶ聖矢。
「よっしゃ!じゃあ決勝見に行くわ」
「うん、決勝は7月23日だから」私は聖矢に笑顔を向ける。
「あぁ、絶対見に行く!!あっ!」
「今度は何ー」呆れたように話す私。
「しまった…俺、その前日関東大会だ」聖矢はその場にしゃがんだ。
「関東でしょ?大丈夫じゃない?」
「だって東京でやらねぇーし」拗ねたように嘆く聖矢。
「大丈夫だよ、間に合うって」
「んー。それ祈るしかねぇよな。」
「それにまだ私達わからないしね」まだ少し明るい空を見上げる私。
「いや、絶対に光たちは決勝までいくよ。」
「そんなに自信あるの?」
聖矢に尋ねる。
「あるよ。だから絶対全国行けよな」
゙光、絶対全国行こうな゙
「たく、いや何もない。早く帰ろう聖矢!」
「あっ、うん」
聖矢が一瞬拓真に見えた。
そうだ、私は拓真と約束したんだ。全国に行こうと。
私はあの約束を絶対果たそうと決めたんだ。