聖なる光【完結】

「私は…彼の側でずっと見守っていきたいです。だから何があっても支えていきたい。」

私は、記者に向けて言ったのではない。聖矢に思いをぶつけたのだ。伝わっただろうか。

気のせいだろうか。聖矢は一瞬だけ顔を曇らせた。



「何で私までパシャパシャ写真撮られなきゃいけないのよー」たくさんの質問詰めが終わったあと聖矢と私は少なくなったスタンド席で話し込んでいた。

「仕方ないじゃん。これから日の丸を背負う男が走ってすぐ彼女に飛び付く。記者にしたら書きやすいしおもしろいんじゃねぇ?」聖矢は面白がって話す。

「ホントに嫌だったんだから」聖矢はくくっと肩を揺らした。



「ねぇ、聖矢……」私は席から立ち上がってトラックを見つめる。

「んっ?」聖矢は自分の大事なスパイクを歯ブラシで磨いている。

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