聖なる光【完結】
「ごめん、光」そう言ってギュッっと抱きしめてくれた。聖矢の腕の中でワンワン泣いた。
どのくらい泣いていただろうか。5時間が終わるチャイムが校庭にも響いた。
聖矢の目は真っ赤に腫れていた。私の目もきっと真っ赤に腫れているだろう。
そして私は少し落ち着いてこう言った。
「別れよう」
今までそんなこと考えたことなかったし、これからもないと思ってた。私はそんなに強くないから。
アメリカに行くんだと思うと苦しくてきっと壊れてしまうから。きっと今まで通り聖矢に笑える自信もないし、アメリカに笑顔で送れる自信もない。
私は弱いから。聖矢だってきっと辛いはずだ。
多分最近、呼び出しが多かったのは先生たちと話し合いをしていたのだろう。
あの試合の帰り、聖矢は確かに断っていた。だけど、ほんとは迷っていたのかもしれない。そしてその原因は少なくとも私が入ってる。
ほんとは頑張れってそう言いたい。待ってるからって漫画のように言いたい。
でも……出来そうもないの。彼を笑顔で待っている自信なんてない。