聖なる光【完結】
「分かった」聖矢は否定もせずにすんなりと返事をした。私はその言葉を聞いてそこから立ち上がった。
「聖矢には伝えたいことがたくさんある。感謝もいっぱいしてる。でもまたいろいろ言えば私の気持ちが揺らいじゃうから…ごめんね」聖矢は下を向いたままで。頷きもしなかった。
「ありがとう、聖矢」私は歩き出した。
涙が止まらない。悔しくて悔しくて。こんなにも大好きなのに、あんなにすんなり終わってしまった。
すべてが夢のようで覚めればいいのに…。
「せ……いやっ」声にならないような声で名前を呼ぶ。私はそのまま崩れ落ちた。
゙離してって言われても、俺、離さねえからな。俺が…俺がお前の苦しみも悔しさも全部受け止めるから゙
゙光は俺の宝物だよ゙
゙光、ずっと俺のそばにいてくれるか?゙
約束守れなかったね。ごめん、聖矢。
聖矢がいつも抱きしめてくれるあの腕の温もりはもう私のものじゃない。
ケタケタ笑う笑顔も、甘えてくる姿も、もう私には向けてはもらえないんだ。