聖なる光【完結】
story★eight
街はクリスマス。幸せそうにカップルが寄り添いながら歩く姿。
いろんなところにクリスマスツリーがあってピカピカ光っている。
とてもきれいで思わずきれいと口から出てしまう。
「本間やな」私の隣を歩いているのは2つ歳上の渡瀬知哉(ワタセトモヤ)くん。
バリバリの大阪人。知くんは私の彼氏でも何でもない。私の通っているスポーツジムで出会った人だ。
知くんは、お父さんの転勤で高校を卒業とともにこっちに来たらしい。
ずっと昔から体育の教師になりたかったらしく、今は体育大学に通っている。
とりあえず筋トレ馬鹿で、腕の筋肉はとてつもなくすごい。
私はというもの太りたくないから通っている。
今日もデートしてる訳ではない。たまたまジムで今日も会って一緒に帰ろうとなっただけ。
知くんは優しくて頼りがいがあるお兄ちゃんみたいな感じ。
「寒いね」私がそう言うとちょっと待っててと言ってどこか消えてしまった。
「はい」待っていると知くんは肉まんを私に差し出した。
「ありがとう」
「ホカホカ知哉特性肉まんや」そう言って歯を見せて笑う姿は聖矢とどこか似ていて。胸が苦しくなる。