聖なる光【完結】
「ありがとう」また知くんは私を笑わせてくれる。
一口食べると知くんは「美味しい?」と、緊張した顔で聞いてきた。
「美味しいよ」満面の笑顔で返すと「よっしゃー」と大きな声を出してばんざいをている。
周りの人が知くんに注目する。とても20歳には見えない。そんな知くんが可愛く見える。
「知くん恥ずかしいよっ」私はクスっと笑いながら知くんの手をおろそうとした。
「いいやん別に、俺は恥ずかしくないで」そう言って私の手を握ってきた。
「と、知くん?」180cm以上ある知くんの身長は私が上を見上げないと顔がしっかり見えない。
「光が今日、元気なさそうやったから心配やった」知くんは立ち止まって私の顔を見下ろす。
「でも今、やっと笑ってくれた」そう言って笑う知くん。
「知くん……」
「光を悲しませてる原因は何?」知くんは私を直視する。私は咄嗟に知くんから目を反らせてしまった。