聖なる光【完結】

「辛いな」知くんは背中をさすってくれた。

゙辛いよね゙この言葉は何回も言われた。でもなぜか私はこの言葉だけじゃ物足りなかった。

「でもこのままでええんか?」
「えっ」知くんはその先も私に訴えてくれる。

「俺はそうは思わんで。光とそいつお互い何も言わんと別れたんやろ?そら忘れられへんやろ。例えより戻さんにしても話するべきちゃうか?それはそいつのためだけじゃなくて光のためにもや」

そう言って知くんは優しく頭を撫でてくれた。いつも自分の頭を撫でるのは聖矢だった。

だから聖矢じゃなく別の人が自分の頭を撫でるのは変な感じがする。

私はゆっくりと頷いた。そうかもしれない。自分のためにもなるのかもしれない。そして私はこの言葉を待っていたのかもしれない。

知くんはその日、家まで送ってくれた。

年もあけて冬休みも終わった。

私は始業式の日に絶対に聖矢と話をしようと決めていた。今までの思いも全部伝えたい。

聖矢とちゃんと話がしたいから。

私はいつもより緊張して学校に向かった。

途中でたくさんの友達に声を掛けられたみたいだけど私は全く覚えていない。

ずっと聖矢のことばかり考えていた。側にいることがどれほど幸せなのか身に知った。

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