聖なる光【完結】
「光、今日どうしたの?」
教室でざわついている中後ろの席の友達が声をかけてきた。
「えっ?何で?」
私は咄嗟に後ろを振り向いて話しかけた。
「朝、声かけても気付いてなかったし…深刻そうな顔してるし…」
「ほんとに?!全然気がつかなかった。ごめんね」
「それは全然いいんだけど大丈夫?」自分の思いを伝えるのにこんなにドキドキするんだと思った。
「ふふっ。大丈夫だよ」
「何よ〜ニヤニヤしちゃって。」
「内緒」
近くにいることが当たり前だと思っていた。
だけど隣にいないことがこんなに苦しいことだと思わなかった。
聖矢……私にはやっぱりあなたが必要なんだ。
どんなに遠くにいても私があなたの恋人でいたい。
私は始業式が終わり、すぐに聖矢のクラスに向かった。聖矢のクラスまで来るのは久しぶりだ。
受験シーズンで廊下で話す話題と言えば受験の話ばかり。
あそこを受けるとか、成績が上がらないだの上がっただの。この冬休みはみんな勉強していたのだろう。