聖なる光【完結】

部員50人以上いるなかでひときわ目立っていた。聖矢に付きっきりのコーチがいる。

「中谷、ホント期待されてるんだね」
「今年も、全国行ってやるって行ってた」
「ふーん。すごいね、やっぱり」

うん。聖矢はすごい人なんだ。

美優の携帯が鳴る。きっと耀太だろう。さっきサッカー部が終わっているのが見えた。

美優は一分弱くらい話して電話を切った。

「耀太部活終わったから光も一緒に帰る?」
「ううん、もう少し見とく」
「分かった。1人で大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ」
「じゃあ私、帰るよ?」
「はいはい」

あの時、美優が私を見て微笑んでるなんて知らなかった。

美優はずっとあとで私に言ったね。
「あの時、10年も一緒いたけど光のあんな輝いた笑顔見るの初めてだったよ。すっごい私嬉しかった。光も恋したらこんなに変わるんだなって嬉しかった」

美優?
私ね、聖矢と出会ってよかったよ。

今もこれからも。


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