聖なる光【完結】
見つめられるとドキドキする。パッと前を見ると赤信号が青信号に変わっている。
「知くん、青っ!」
「あぁっ」知くんは私の声でハンドルを回し始める。
知くんに不意をつかれてびっくりした。私も知くんもなぜか黙りこんでしまった。10分くらいしたところで知くんは車を駐車する。
「着いたよ」
「うんっ」
さっきの話はなかったようにまた再び2人で話す。
何台か車が止まっていた。
「ここ何があるの?」
「秘密や」くくっと笑ってみせる知くん。知くんに着いていく。階段を上り、着いた先は……。
「キレイ………」なんとも言えない景色。太陽が沈む瞬間と言おうか。真っ赤に染まる空。
さっき駐車場からは見えなかった景色。
「ここな、友達に教えてもろてん。キレイやろ?絶対、光に見せたろと思って」私はキレイで何も言葉が出ない。知くんの顔をみるとニコっと笑ってくれた。
「ありがとう。ほんとにキレイ…こんな景色見たの初めてだよ」
「本間か。そらよかった」私はその景色を携帯のカメラで写した。
「ほんでな、ここ告白スポットやねん」
「えっ……?」