聖なる光【完結】
集中していた聖矢がはじめて私に気がついてくれた。ニコっと笑うあなたの笑顔はやっぱりきれいだった。
すると、女の子が聖矢に近づいていく。
何を話してるか聞こえないけど、なんか嫌な気持ちになった。聖矢は避けるようにその女の子の側を離れた。
そして女の子は追いかけようとしたが、私の方に体を向けて、すごい怖い顔で睨んできた。
私はあの子の睨みに負けて帰ることにした。
あの子、聖矢の彼女…?
朝、聖矢にかかってきた女の子からの電話を思い出す。
あれはあの子からの電話なんだろうか。
私は忘れよう忘れようと思いながらロッカーに向かった。
ローファーに履き替え自転車置き場に向かおうとした。
前を見ると今、一番会いたくない人。私は無視してさっきの女の子の横を通りすぎていこうとした。
「待ってよ」
さっきここには私しか居なかった。だから私を呼んでいるにちがいない。
私は振り向いた。