聖なる光【完結】
『あっ、光、目の下にクマできてんぞ』
『朝からレディに失礼!』
『えっ?お前レディだったの?』
『拓真っ!』
朝、よくそう言って笑ってたな。拓真とはしょうもないことをいつも言い合ってた。
美優とも毎日笑いあった。美優とは運よく三年間全部同じクラスだった。お腹抱えてケラケラ笑ったよね。
どれもこれも懐かしくてたまらない。毎日が本当に楽しかった。
そう言えば1年の時はまだ、聖矢のことを知らなかったんだな。
あんなに有名なのに私はどうして知らなかったのだろう(笑)
この廊下で聖矢と何回すれ違ったんだろう。色んな思い出を思い起こしながら私は廊下をゆっくり歩いた。
私は次に2年の時の教室に向かった。聖矢とたくさん話した教室。そして聖矢と出会った廊下。
あの日、廊下に聖矢が現れなかったらこんなに愛しい思いは分からなかったのかな。
聖矢に出会って私は本当に幸せだったよ。