聖なる光【完結】

『光、おせぇーよ』

『光の弁当、超うめぇー』
『光、キスしよ』

『大好き、光』

この屋上で何回、聖矢に名を呼ばれたのだろう。
私は聖矢の名を何度呼んだのだろう。

聖矢との思い出が多すぎる。でももう彼はいない。遠すぎるアメリカに行ってしまった。

伝えたいことも聞きたいこともたくさんあったのに聞けなかった。

今更後悔しても聖矢の姿はもうなくて。

私はしばらく屋上にいた。運動場から聞こえる後輩たちの声。

ここから聖矢の走っている姿をよく見ていた。大好きな聖矢の走り。

運動場はこんなにも広いのに聖矢だけが目に入ってたな。

運動場からニコっと笑って私の方に手を振る姿が大好きだった。

思い出は数えきれないほど私の胸の中に残っている。ずっと、一生忘れたくない大事な宝物。

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