聖なる光【完結】

「俺のことまで泣くなよ。俺は光が幸せやったら本間にそれでええねんから」知くんが親指で私の涙を拭う。

「知くん……ホントに好きだったよ。本当に本当に……だいす

言葉の途中で知くんの唇が私の唇に触れる。

「お別れのキスや。光?しんどくなったら俺のこと頼ってきてもいい。いつでも俺が背中押したる」

「知くん……」
「何もでけへんかったけど俺は光の側に居れて幸せやったよ。ありがとうな」

「知くんをいっぱい傷つけてしまった。ごめんね。」知くんはううんというように首を横に何度も振った。

「でも、知くんと一緒に居た時間はすごく幸せだったよ」
「うん、俺も。光、笑顔でバイバイしよ。」知くんが立ち上がったから私も立ち上がった。

「ありがとうな、光」知くんは手を差し出して来た。私もその手を握った。

「ありがとう……」私は泣きそうになりながら知くんに笑顔で笑った。

「ええ笑顔や」知くんはそう言って私の手を離した。知くんは前に進みだす。我慢していた涙が出てくるけど、私は笑顔で知くんに手を振った。

「知くん、ありがとう!」
「うん、光、幸せなるんやで」

私は頷いた。どん底から救い出してくれた知くん。
知くんには指10本では足りなくらいに助けられた。

ありがとう、知くん

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