聖なる光【完結】
わぁーっと会場が盛り上がる。男子100mの決勝の出場者が登場してきたのだ。
聖矢は堂々とした顔つきで登場してきた。
「ごめん、遅れた」悟史くんが遅れて顔を出した。
「あっ、悟史くん」私は隣に置いてあった荷物をどけて悟史くんに手招きした。
悟史くんは「暑いー」と、言いながらだらだらしている。
「あっ、聖矢じゃん」100mのスタート地点を見て悟史くんは一気にしゃきっとする。
「まじ、危なかったな」私に苦笑いをする。
「セーフだよセーフ」私はふふと微笑みながら悟史くんに冷えたお茶のペットボトルを渡す。
「さすが、世界の嫁さんは気が効くねー」ケラケラ笑いながらペットボトルのお茶を一気に飲んでいる悟史くん。
「まだ籍は入れてないよ」
「あれ?まだだっけ?」
「うん、今日試合の後に…」笑ってみせるとびっくりした顔つきをしている悟史くん。
「今日か……おめでとう」
「ありがとう」悟史くんと話込んでいると選手紹介が始まっていた。